課題
あるRealtor協会は、優れた顧客サービスを表彰する年次表彰プログラムを、既製のサードパーティ製プラットフォームを使って運営していました。動作はしていたものの、協会のMLSデータや会員データの実際の流れに合わせて作られたものではなかったため、スタッフはノミネーション期間中、依然としてかなりの量の手作業による検索や整理を行う必要がありました。さらに、そのための費用も年々大きく膨らんでいました。
アプローチ
RESO Web API標準を通じて物件情報を取得し、協会の記録から会員情報を取得するDjangoアプリを構築しました。これにより、クライアントは担当のRealtorと該当する取引を直接検索できるようになり、すべてを手入力する必要がなくなりました。
- ・クライアントはHTMXを使った検索機能でRealtorを姓で検索できます。2文字入力するだけで一致するリストが表示され、ページの再読み込みは発生しません。
- ・取引を選択した後、いくつかの定型質問に答え、担当のRealtorが期待以上にしてくれたことについて短い文章を書きます。
- ・送信すると3通のメールが自動送信されます。クライアントへのお礼メール、ノミネートされたRealtorへの通知、そしてノミネーション管理者への通知です。
- ・すべての取引がMLSに登録されているわけではないため、「取引が見つかりませんか?」というリンクから、MLS外の取引については物件住所と成約日を手入力できるようにしています。
- ・サイトの利用に不慣れなクライアントのために、Realtorが代わりにノミネーションを提出し、手書きのノミネーション用紙をスキャンしてアップロードすることもできます。
- ・管理者は各ノミネーションを確認し、失格・重複などのステータスを設定できます。別途、重複の可能性があるノミネーションを自動的に検出するレポートも用意しています。
- ・ノミネーション期間が終了すると、管理者はRealtorの氏名と会社名を伏せた状態でノミネーションを一括印刷し、匿名審査ができるようにします。
- ・バックエンドのデータ処理は、MLSフィードに対してPython、Pandas、SQLAlchemyを使用し、PostgreSQLデータベース上で行っています。
改善したい点
現在、日常の管理業務とダッシュボードはフロントエンド側に実装されており、フレームワーク標準の管理画面でほぼ対応できるはずの作業のために、独自の管理画面UIを維持している状態です。管理業務をより標準的な管理インターフェースに移行するリデザインを計画しており、これによって現在維持している独自フロントエンドのコードをかなり削減できる見込みです。また、次回のプログラムに向けて、初年度に見えてきた課題を解消するため、名前照合ロジックの改善も計画しています。
成果
このプラットフォームは、高額なサードパーティサービスを、協会自身のデータの実際の流れに合わせて作られたシステムに置き換えました。今年は1,034件のノミネーションを集め、昨年比20%増となりました。重複検出レポートと匿名一括印刷機能は、引き続き手作業だった工程を取り除いています。